住み開きシェアハウス
「Co-Living はちとご」

お客様の声

ファーストビュー画像

はじめに

こんにちは!茨城県水戸市で、住み開きシェアハウス「Co-Living はちとご」(以下、はちとご)を運営している板谷隼といいます。今回はこの場をお借りして、2023年11月に時由地材のDIYサポートを依頼した時のことを振り返り、記録を綴っていければと思います。

依頼内容と経緯

はちとごは、2021年11月に茨城大学のすぐそばで立ち上がったシェアハウスです。オープンした頃から、家の一部を地域に開放する「住み開き」という営みをしてきて、ご近所の方や大学生などさまざまな人が出入りする家になっていました。

画像

はちとごが賑わうにつれ徐々に手狭になってきたタイミングで、さらに活動しやすい物件を見つけることができました!そして前代未聞の「シェアハウス丸ごとお引越し!」を計画…!

・お引越し先が築60年ほどの古民家で修繕が必要だったこと
・とはいえ大きなお金はなかったのでDIY中心に改修をしたかったこと
・本谷さんとはそれぞれがシェアハウスを始める前から親交があって、お互いのシェアハウスの事情に明るかったこと

といったことから、本谷さんにDIYサポートを依頼しました。

具体的に依頼した内容はこんな感じ。

画像

一緒に物件を見て、「優先的に直したいのはどこか」、「現状のままでも気にならないのはどこか」「どんな暮らしをしたいか」「今の困りごとは何か」などなどヒアリングをしてもらって、費用面もひじょ〜に(!)配慮してもらって内容と施工日程を決めていきました。

DIY奮闘記

さてさて、ここからはDIY奮闘記をお送りします!「ぜんぶ本谷さんにお任せ!」ではなく、建築士の本谷さんにしかできないところはお任せしつつ、僕らでもできるところは本谷さんに監修してもらいながら、シェアハウスの入居者や友人・知人たちで作業を進めていきました。

いきなり余談ですが、はちとごのSNSで「お引越し作業が始まりました!」と一番初めに壁をハンマーでぶち壊す(笑)動画をアップしたら「ええ…!?」「イメージしてたお引越しと違った!笑」と一部から良い反応をもらいました笑

画像
画像
画像

ビフォーアフター
(左の写真の崩れている壁を壊し新たに壁を作りました)

まず取り組んだのが外壁とバルコニーの塗装。DIY初心者の我々、「壁塗ろうか」と言われたのでペンキを塗るところから…と思ったら、「前のペンキが劣化してポロポロ剥がれてきているから、これをまずは剥がさないと定着しない」と本谷さん。早速、外壁をひたすらやすりで削るという泥臭い作業に勤しむ入居者たち…。(最初の数日はこればっかりやっていました。笑)

画像

もう1箇所、壁塗りを頑張ったのが、1階の洋室。僕が「どうしてもこの色じゃいやだ、白にしたい」と言って赤茶色の土壁を白く塗ることに。そして、これまたDIY初心者たちは知ります。ペンキを塗る前に「シーラー」なるものを塗らなくてはならないことを…。この下準備が結構大変でした。繊維質の壁だったので、シーラーの水分をこれでもかと吸い込んでいき、ローラーを使っても全然広がっていきません…!しかも、ペンキだったら色が変わっていく楽しさがあるだろうに、シーラーを塗っても「なんか濡れてるね」って感じになるだけなので、「大変さに楽しさが見合ってない!」(入居者談)のでした笑
なんとかシーラーを塗り終わり、ようやくペンキ塗り!この日はDIYイベントにもして、集まってくれた「塗装なんて初めて!」という人たちと楽しく壁を白く塗っていきました。

画像
画像
画像
画像

白く綺麗になった部屋には本棚を並べ、後日シェアハウスの図書室になりました。

僕のこだわりを本谷さんが形にしてくれたのが、台所と壁の間の廊下の窓です。昔は窓だった形跡がありましたが、この時は既に壁になっていて、物件を見た時から「ここは絶対窓にしましょう」と(自分では作れないのに)ずっと言ってました。
ということで、ひとまず壁をカット。大学生の入居者がノコギリで壁を切り開きます。大雑把に切った後は端っこをきれいに整えます。

画像
画像
画像

窓というより穴。

穴が空いたら今度は窓枠作り。「これをリメイクして窓枠を作ろうと思う」と本谷さんが持ってきたのは、浴室のドア。新調することになったので、不要になってしまった建具から窓を作ります(時由地材っぽいですね!)。ドアを採寸してカットして、窓枠ができたら塗装していきます。

画像

さて、ぴったり合うガラスをどう調達しようか…と思ったら、徒歩2分のところに老舗な感じのガラス屋さんを発見!テテテッテーと駆け足で窓枠を持って相談しに行ったら、なんと翌日には完璧にガラスをはめてくれてました…!(最高の仕事をしてくれた「運平ガラス」さんの素晴らしさを語り始めると止まらないので、それはまた別の機会に。)

こだわりはまだ続きます…!妄想程度に「バーカウンターっぽいのがあったらさらに良いですよね〜」と僕が行っていたら、「じゃあ作ってみようか」と本谷さん。手持ちの古材から良いものを見繕って、カット、塗装、そして取り付け!窓を挟んで両側に、折り畳みカウンターが誕生しました!まさに匠の技!

この窓とカウンターは、僕のこだわりを本谷さんが形にしてくれた思い入れのある場所になりました…!

画像

本谷さんのスキルは床下でも発揮されます…!

画像

本谷さんは穴の中に…!

画像

床が抜けそうな部屋の下を覗いたら、案の定シロアリの餌食になっていました…
これを修繕してめでたく抜ける心配のない床に…!

そして、荷物運び込みの前日まで落とし穴のように穴があいていたこの床(笑)を塞ぐべくm用意されたのは、本谷さん所有のフローリングの端材!

これをパッチワークのようにはめていって…

画像

クッションフロアの床からフローリングにリメイク!「床ってこんな風に作れるんだ!」と目から鱗でした…!

お引越し

さあ、最後は文字通りのお引越し作業です!ここまで来るとDIYは関係ないのですが、本谷さんも乗りかかった船とトラックを稼働させて協力してくれました!シェアハウスの入居者だけでなく、本当にたくさんの友達が協力してくれ、引越し業者にお願いすることなく引っ越し完遂!

画像
画像
集まってくれた皆さん!ありがとうございました!
画像

感想

シェアハウスのお引っ越しをしようと思った時、いろんな人と協力して、あーだこーだと言い合いながら進めることができたらきっと楽しいだろうなと思っていました。そしてありがたいことに実際に声をかけてみたら、ご近所さんから遠方の友人、旅人まで、様々な人が集まって、新居のDIYに手を貸してくれました。

画像

時由地材に相談し始めた当初から、ただ洗練された綺麗な完成品を求めるのではなく、場が立ち上がっていくプロセスを大事にしたいねと本谷さんと話していました。そして結果(綺麗な仕上がり)以上にプロセスを大事にして、外に向けて開いていくと自然と「一緒にやるよ!」「手伝わせて!」と面白がってくれる仲間が集まってきたのです。

場を立ち上げる過程を共にすることは、関わる人に愛着を生みます。もちろん完成してオープンした後にじわじわと常連さんが増えたりコミュニティができることはあると思いますが、場ができたその時すでに、その場に愛着を持ってくれていると思える仲間がいることは、とても心強いものでした。

「あの部屋の壁は私が塗ったんだよね!」「これ作るの大変だったよなー」という思い出話がたくさんあって、いつでも懐かしい気持ちになれます。「懐かしい」という感情は、時にとても大きな、大きなエネルギーになります。このDIYの時間を一緒に過ごしたことで、一層エネルギーを秘めた場になったのではないかなと思っています。

画像

そしてこれを忘れてはいけないんですが、今回のDIYは素人がたくさん出入りしたにも関わらず、怪我などなく終始楽しく作業ができました。安心・安全に作業を進められたのは、本谷さんたちの管理と助言のおかげだなと思っています。(ここで書きすぎるとわざとらしいのでこの辺にしておきますが、本当にここが最大の感謝ポイントです!)

さてさて後日談です。

お引越しが完了した1週間後に2年間住んだ前物件を引き払いました。みんなでお礼の気持ちを込めて掃除して、お別れをしました。思っていた以上に清々しい気持ちで、名残惜しくないことはないけど、後ろ髪を引かれるほどではなかったのは、きっと新居への愛着が大きくなっていたから。

本谷さんをはじめ、たくさんの人の協力をもらいながら自分たちで手間をかけた新しいお家は、住み始める時にはもうすでに、すっかり「我が家」になっていたのでした。

画像